ぼくのおじさん

「アーティストなんて輩は、所詮世間の余り物だ。」

「男だろ。欲しけりゃ奪いな。」


ぐうたらでだらしがなく、駄目な人間だと自認している。

そのくせ哲学者としてのプライドは持ち合わせ、気位は高い。

自身の価値観が確立されているからか、卑屈にも成り過ぎない。

その辺のバランスが、愛すべきキャラクターを生み出しているのだろう。

そんなおじさんを「ぼく」が見下していないのもいい。

最後にカッコつけてしまうというのも心地良い後味を残してくれる。

ほのぼのとした気分にさせてくれる作品だった。