64ロクヨン後編

「忘れたくなくても、忘れていく。

後には、整理のつかない心だけが残される。」

「捜査と報道にはタイムラグが必要だ。」

「子供がいなくなる。それがどういう事か。

刑事はそんな事も分からねぇのか。」

「辞めていく広報官の辞任の挨拶に興味は無い。」


何事も正しく解決されるまでは、何も解決していない。

必ずしも時が全てを解決してくれるわけではない。

警察に不祥事があったからという理由で、

事件には触れず、未解決のまま放置するなどあってはならない。

時間と共に忘れられるのは直接関係の無い者だけで、

当事者は時間がいくら経っても、その場所に置き去りにされたままだ。

結局、遺族だけが苦しまなければならないのはあまりに酷な事だ。

全体的に良さ気な雰囲気はあったが、絶賛出来るという訳でもなかった。

謎の全てが気持ち良く解決された訳でもない。

警察と報道の対立は、確かに派手で見せ場でもあるだろうが、

本筋に対して、今一効果的に効いているとも思えなかった。

やはり原作で確かめてみるか。