ザ・ウォーク

「僕にとって綱渡りは、生きること。人生そのものだ。」

「綱渡り師が命を落とすのは、渡り切る直前だ。」

「正気の人間はやらない。だからこそ価値があるんだ。」

「ステージの上ではウソはつけない。観客には心の中が見えるんだ。」

「楽屋では、変異が起きる。無謀な挑戦者がアーティストに変異する。」

「理由なんてない。ただ、美しい場所には抵抗出来ないだけだ。」

「あなたが吹き込んだのね。タワーに命を。」


意味のない挑戦、人は意味もなく心打たれる。

そこに大きな意味がある。

全ての行いは、意味があるからやるのではない。

やった後に意味が生まれるのだ。

もしこれが「公認」の挑戦であったら、意味合いも大きく変わっていただろう。

非公認だからこそ生まれる価値もある。

法も常識をも超越した無謀と狂気が、まさに世界を変えた瞬間だった。

内容自体はシンプルなだけに、

映像の持つ力に研ぎ澄まされた感覚を味わえた。