博士と彼女のセオリー

「この仕事の喜びは、いつか教え子が偉大な功績を残すことだ。」

「時間の始まりを、たった一つの方程式で表すこと。

シンプルで、エレガントな方程式で。」

「どんなに辛い人生でも、生きていれば、希望はある。」


物事の真理を追求する物理学という学問の持つ美しさ。

その成果である方程式に「エレガント」という形容詞が付くのも不思議と頷ける。

類い稀な才能を持ちながら、徐々に体の自由が奪われていく描写は、

見ていて胸が詰まる思いがした。

いくらそこに愛があったとしても、

目の前に明らかな困難が見えていれば、

それを承知で愛を貫く事は、並大抵の覚悟では出来ない。

「車椅子の天才物理学者」

それはたった一人の努力や才能で成し得るものではないのだろう。