グレース・オブ・モナコ

「ロシアは大きくて、国民の顔が見えない。モナコは小さくて、全国民の顔が見える。」

「人生最高の役を演じるために、君はモナコにやって来た。

君こそ“モナコ大公妃殿下”だ。」

モナコの最大の武器は、狡猾さと決断力。そして、あなただ。」

「独裁者の立つ足場は、良識ある人間が異議を唱えれば必ず崩れる。」

「王族との結婚を夢見る者は、その意味を知らない。その意味とは、選ぶことです。」

「幸福や美を破壊する権利は誰にもありません。」

「私の望みは、居場所を見つけること。疑いや迷いなしに、愛し愛されること。」


女優グレースから公妃グレースへ。

立場は変われども、そのどちらもが過酷な演技を求められる。

そのどちらにも足をかけてやっていけるほど甘くはない。

葛藤の中で、女優復帰という退路を断ち、公妃として生きる事を選択する。

腹をくくり、覚悟を決めた人間の強さを見た。

単なるお伽話のお姫様ではない。

自分の強みを最大限に利用して、政治の難局に立ち向かう様に、

ぐいぐいと引き込まれ、胸のすく思いがした。

ニコールキッドマンは、やっぱりいい。

凛とした表情から、どこか愛嬌のある表情まで、

その幅と美しさに圧倒された。

起承転結のあるストーリーも面白い良作だった。