自殺に関して

「自殺」という事を考える時に、いつも頭に浮かぶ言葉がある。


何かが足りないために死ぬ―――というのは、すべて自殺のライセンスの対象にならない。

なぜなら、その“足りない何か”を考える事によって、死の必然性がなくなってしまうからである。

家庭は幸福で、経済的にも充足しており、天気も晴朗で、小鳥もさえずっている。

何一つ不自由がないのに、突然死ぬ気になる―――という、

事物の充足や価値の代替では避けられない不条理な死、というのが自殺なのである。

―――寺山修司 『自殺学入門』より


この言葉に出会って思った事は、「自殺って難しいんだ」って事。

いじめを苦にして死んでゆく子供たち。

彼らの死は、本当に自殺なんだろうか?