箱入り息子の恋

「見た目や着ている物、就いている職業で人を値踏みするのは、目の見えている人間だ。」

「不様になっていいじゃない。」


とかく恋愛というものは、不様にならなければ出来るものではない。

どこか腰が引けていたり、何かを守りながら出来るものでもない。

守るものが小さい者ほど、その小さいものを必死になって守ろうとしてしまう。

ガチガチの殻を破って、初めて見える景色があるのだろう。

人の必死な様というのは、どこか笑ってしまう。

必死になればなるほど、滑稽で笑ってしまう。

でも、その様がたまらなくいい。

笑っているのに、不思議と泣けてくる。

その辺りの描き方が非常に上手い作品だった。