中島みゆき歌旅劇場版

「同じ時代に生まれてくれて、ありがとう。」



何よりも、

スクリーンに映し出される中島さんの表情の豊かさに驚かされた。

時に、少女のように無邪気でかわいらしく、

時に、目の覚めるくらいに凛々しく、

そして時に、聖母のように優しく。

まるで別人であるかのように、

一人で何役もの人物を演じ分けているようだった。

過剰な演出がない分、中島さんの表情が生きていたし、

それに勝る演出もないだろう。

歌自体が素晴らしくても、決してその上にあぐらをかかない。

全身を使って表現をする、「表現者」の神髄を見た。

「歌には力がある」

そんな言葉を、虚言ではないと信じさせてくれる作品だった。



劇中、何度も鳥肌がたった。

たとえライブDVDを映画館で流しているだけだとしても、

それだけの価値は大いにある。


ただ、最後のPVは蛇足だろう。