世界文学のスーパースター夏目漱石
シェイクスピアがイギリス人かどうかは関係ないのと同じように 漱石が日本人かどうかは関係ない。 そのアイデア、登場人物の性格描写、人間心理への鋭い洞察、小説に渦巻く様々な感情の波、 近代社会に生きることの意味に対する分析、一流の言葉づかい、 悲劇、喜劇、皮肉の達人ぶりが、漱石をかつてないほどの芸術家にしている という点が肝心なのである。 ――― ダミアン・フラナガン
夏目漱石を知らない日本人はいない。
「あなたの好きな小説は?」とアンケートをとったら
毎回のように「こころ」が上位にランクインしてくる。
もし、外国に行って、現地の人から
「あなたの国の有名な小説家はだれですか?」
と尋ねられたら、夏目漱石の名をあげる人もきっと多いはず。
それだけほど日本人にとって身近な存在なのが漱石だ。
ところがこの本を読んで、何より驚いたのは、
海外における漱石の無名度合いだった。
なぜ無名なのか?
欧米人が日本の文学をどう捉えているのか? (この点は面白い)
そもそも文学とは何か?
今までになかった視点で、新たな示唆を与えてくれる本でした。