ライフ イズ ビューティフル
この映画は、愛の物語だ。 純真で純粋な子供を守り、 愛と想像力は不滅だという希望を失わない事が大切だ。 ――― ロベルト・ベニーニ
数年ぶりにこの映画を見返してみて、改めて確信した。
この映画には、全てが詰まっている。
映画の魅力が、そして人生、生きるということの魅力の全てが。
男としてのかっこ良さ、夫としての優しさ、父親としての在り方…
ユーモアの大切さ、そして、
人が人を思いやるとはどういう事か…
前半部は、とにかく純粋なる映画の楽しさに満ち満ちている。
本当に見ていて楽しい気分にさせてくれる。
そして、その前半部があっての後半。
双方が相乗効果を持って、より強烈に見ている者を惹きつける。
(この前半から後半へ移るシーンがめちゃくちゃ良い!)
この作品の何より素晴らしいのは、
何も声高にメッセージを主張しているわけではないところ。
それなのに何よりも強く響き伝わってくる。
「愛は素晴らしい」 「戦争は悲惨だ」
そんなメッセージをそのまま伝えたところで、
それは表現ではないし、映画にはなりえない。
そしてその伝えることの手段として「ユーモア」を用いたことがまた良い。
とてもシリアスな題材を扱いながら、全体として重くならないのは、
終始、ユーモアというか笑いが散りばめられている。
辛い事、悲しい事をそのまま受け止め、それでもがんばろうではなく、
「愛すべきウソ」でつらい現状を乗り越えていく。
それこそが、人が人を思いやることの在り方の様にも思えた。
これこそが“表現”なんだろう。
やっぱり、この作品はナンバー1と言って良い。