HERO

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コクもなければ、キレもない。

最後に残るのは、かったるい甘さだけ。

というより何より、味がない。

おもんな~。

はじめから期待はしてなかったとは言うものの、

一応は「事件」を扱ったもの。

トリックや展開、どんでん返しのまぁ浅いこと。

こう来たからには、こう来るだろうなという予想を裏切ることがない。

もう大体オチは分かってるから、そこ膨らまさんでいいのに…

全体を通したたいした伏線もない。

とにかく予定調和のように進んでいく。

そこにどうでもいいようなキレイ事をつけようとするから、より安っぽさが増す。


何より気に入らないのが、

「必然性の無さ」と「ディテールの雑さ」

面白ければ何でもいいのかと。(しかも面白くもないし)

韓国も山口も、イ・ビョンホン中井貴一を出すためだけのこと。

別に大した意味も無いのに、膨らませるだけ膨らませて。

末次は骨折してたんじゃないのか!

かと思ったら、ちょっと後には元気に走り回ってるし。

どうでもいいところかもしれないが、

そういうところを疎かにしてるんだという印象を受けると、

とたんに覚めてくる。


ただ最後の最後に「胸がすく」ような思いにさせてくれたなら、

すべてをチャラにしようと思っていたが、それもなし。


とにかく作品全体を包みこむ「金の匂い」というか「商用臭さ」が

たまらなく気持ち悪かった。