妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ

「結婚は、しないで済むなら、しない方がいい。」

「お姉さんの労働に支えられて、この家はあるの。」

「結局、ピンハネして貯めた金がヘソクリだろ。」

「夫婦は、愛し合ってなきゃいけないんだろ。それが夫婦なんだろ。」

「失って初めて分かるのよ。妻の大切さに。」

「姉さんは、匂う様に美しかった。」


妻、母、主婦。

居る事が当たり前に感じられる存在こそ、失った時の衝撃は大きい。

やはり家族という共同体の核であり、家族をつないでくれているかけがえのない存在だ。

人間を見に行く。

人間の味がする。

どこまでも人間を見つめ、人間を描く、人間が主役の映画。

「家族はつらいよ」とは、そんな作品だ。

良い事だけでなく、駄目な事も、情けない事も、言いにくい事も、

隠し立てせずにぶつけ合うから、揉め事も起こるが、絆も深まる。

これは家族の在り方としては、実に尊い

人間を味わうには、悲劇よりも喜劇の方が良いのかも知れない。

最初から感動話として見るより、喜劇の中で顔を出す感動の方が胸に迫る時もある。

本シリーズは、回を重ね、人物像や関係性が浸透していく程、

単発作品では出せない味わいが増していく。

また新たなドタバタが見られる事を楽しみにしたい。