嘘を愛する女

「今の流行りを追うのではなく、半歩先のトレンドを作る。」

「人の過去を知ったって、大体ろくな事になりませんよ。」

「死ぬほど働いた事もないくせに。」

「4日以上なら、車の方が安上がりだ。」

「東京なら誰か一人いなくなっても、わかりませんから。」


人生のある一定期間を共に過ごした人間の存在が嘘だったとしたら、その喪失は大きい。

失うのは、その相手のみならず、自分自身の一部を失うのと同じだ。

真実を知りたいと必死になる気持ちもよく分かる。

嘘によって隠したい過去があるとすれば、たいてい良くない事だろう。

ただ、嘘をついてでも隠そうとする真意には、相手に対する思いやりという面もある。

一体、あの人は何者なのか?

様々なヒントを手掛かりに迫っていく過程は、ミステリーとして十分楽しめた。

吉田鋼太郎の探偵役がまたハマっていた。