3月のライオン前編

「ちゃんと泣くっていうのは、良い事だよね。」

「親を選べない不幸には同情出来る。」

「自分を叩きのめした相手は、最高の教科書だ。」

「俺達は獣。蹴落とした命の上に立っている。」

「盤上を広く見渡し、最上の一手を探せ。」

「差が縮まらないからといって、自分が努力をしなくていいという事にはならない。」


自分の存在が回りを不幸にしている。

そう感じざるを得ない境遇というのは何とも切ない。

単純に「将棋が好き」という一点で

様々な困難を片付けない所に、いい意味での複雑さがある。

生きる為に必要だから、将棋を指す。

ここに切実さがこもっているのだろう。

将棋はあくまで手段であり、その周囲のドラマがメインなのだろうが、

やや芯がぼやけた印象も受けた。