サバイバルファミリー

「すべてがOFFになると、人間がONになる。」

「使える物持って来ないと、意味無いでしょ。」

「原始人にだって出来たんだから、俺達に出来ないわけがないだろ。」

「人間が生きるのに必要なのは、体温の保持、水の確保、火を起こす事、食べ物はその次だ。」

「大阪が停電していなかったとしても、大阪に行くという選択肢は無いわ。

この状況を楽しまないと。」


電気が止まる。

この一点において、当たり前の日常が崩れ去る。

まさに現代社会の脆さを突き付けられる。

焦り、戸惑い、不安、怒り…。

当初抱いていたそうした感情も、一定のレベルを超えると次第に淘汰されていく。

「生きる」という一点において、全てがシンプルになっていく。

価値観も変化し、出来ないと思っていた事も出来る様になる。

この変化が見ていて面白い。

細かなリアリティの欠如は、気にならなくもなかったが。

「すべてがOFFになると、人間がONになる。」

この一言に全てが集約されていた。

そしてまた、その逆も然りかとも感じられた。