怒り

「男はいいんだ。女抱きまくってヒモになっても、世間は許してくれる。女はそうはいかない。」

「分かろうという思いがなければ、どんなに説明しても伝わらない。」

「死にたい位嫌な思いってどんなだろう。」

「本気の思いを伝えるのは難しい。本気の思いは目に見えないから。」

「沖縄の味方にはなれなくても、お前の味方にはなる。」

「一見、普通の顔をして人殺すんすよ。」

「人を見下してバランスを取ってた男に、憐れみをかけたら、虫けら扱いと同然だ。」

「お前は大切な物が多過ぎる。本当に大切な物は、増えるんじゃなくて、減っていくんだ。」


自分ではどうしようもない事に対する怒り。

米兵による乱暴のシーンは、胸が締め付けられる思いがした。

あまりの理不尽さに、どうしていいか分からなくなる。

真の怒りとは、こういう事なのか。

人間、外には見えなくても、内には様々な思いを秘めている。

素性の知れない人間を信じて受け入れる事は難しい。

それでも受け入れるためには、どこかで共鳴するものが必要だろう。

信じた人間に裏切られて後悔する事もあれば、

信じたい人間を信じ切れなくて後悔する事もある。

剥き出しになった人間の感情を見た。


勝手に二部作だと思い込んでいた分、完結したのも良し悪しだった。

描き切れなかった事もあったのではないか。