後妻業の女

「人生、出会いほど素敵なものはない。」

「じいさん騙すのは功徳だ。」

「警察は世論で動く。」

「人間、生まれる時も、死ぬ時も一人だ。」

「悪党にもセンスが要る。」


騙す人間と騙される人間。

騙しているつもりで騙され、騙されているふりをして騙している。

この立場の入れ代わりが巧みに描かれている作品は面白い。

散々人を騙してきた人間が、見事にしてやられるのは実に痛快なものだ。

ただ悪党はしぶとく、そう簡単にはくたばらない。

前半の法律的な駆け引き、ドスの効いた言い合いは良かったが、後半はやや失速感があった。

場面によって見せる表情ががらりと変わる大竹しのぶさんは流石だ。