64ロクヨン前編

「無能な広報官を持った県警は不幸でしかない。」

「警察は男しか生きられない。男でも生き残れない。」

「刑事は心で動く。刑事部長は仰ぎ見る頂きなんだ。」

「どんな人事も一月で慣れる。二月で染まる。」


どれだけ重要な事件であったとしとも、より大きな事件があれば埋もれてしまう。

その意味で「ロクヨン事件」とは、まさに埋もれてしまった事件と言える。

事実が伝わらない、ましてや保身のための隠蔽ともなれば、それで被害を受ける人間も出てくる。

警察とマスコミとの関係性。

そこにはここに描かれている位の緊張感がある方が健全だろう。

その間にいる広報官としての立ち位置。

最終的には個人として誠意を持ってぶつかるしかない。

刑事も記者も最後は心で動く。

ともあれ、前編だけでは何とも言えない。

謎が解明するわけでもなく、様々な確執がどう活きてくるかも分からない。

良し悪しの判断は後編を見た後だろう。