風に立つライオン

「群れから外れたライオンは厳しいんですよ。」

「ここは法律で人を守れる様な場所じゃないんだよ。」

「『頑張れ』は人に言う言葉じゃない。自分に向かって言ってるんだ。」

「誰かのせいにしなければ耐えられない苦しみもあるんだ。」

「お前は9人の命を奪った。ならば一生をかけて、

10人の命を救うんだ。未来はその為にあるんだよ。」


ここは法律で人を守れる場所ではない。

普段、最もらしく「法治国家」という言葉に馴染んでいる身にとっては、

重く響いてくる言葉だった。

法が機能するという事は、それだけ平和である証なのだろう。


幼い子供までもが戦場に行かざるを得ない状況下では、

悲しみは悲しみのまま、憎しみはより大きな憎しみとなって連鎖していく。

どこかで絶望を希望に変える事が出来れば、未来を描く事も出来るのだろう。

絶望が連鎖するなら、希望もまた連鎖する。

そうして生まれた希望が、

国境を越えて、時代を越えて返ってくる事にも、胸を熱くさせられた。