春を背負って

「山小屋をやるって事は、親父さんを背負うって事だ。」

「一歩一歩、負けない様に、普通に歩いて行けばいい。」

「タバコも人間も、煙になって初めて、本当の価値が分かる。」

「人は裸で生まれて来て、手ぶらであの世に行く。

自分の好きな様に生きればいい。」

「自分の足で歩いた距離だけが、本物の宝になるんですね。」

「人は、人との心の触れ合いが無いと生きていけない。」


人は歳を重ねる毎に、いろんな物を背負っていく。

その重みに耐えながらも、一歩一歩、歩いて行く。

それが「生きる」という事なのだろう。

ただ、その一人で背負った荷物を下ろす場所があれば、

それだけでどれだけ楽になるだろう。

安心して荷物を下ろせる場所、それが「家族」と言えるのかもしれない。

山は美しいが、常に危険と隣り合わせだ。

どんな人も、誰かに迷惑をかけ、誰かに助けられる可能性がある。

それでも人が山に登る理由は何か。

山は、人間が一人で生きているという傲慢さを、洗い流してくれる場所なのだろう。


真っ直ぐで、教えられる事の多い作品だった。

ただ、あのラストカットはないだろう。