くちづけ

「生きてく術がないなら、

それでも生きていける世の中にすべきじゃないのか。」


あんなに切ない「くちづけ」というのは、他にあるだろうか。

そこには「愛」しかなかったはずなのに。

浮浪者にも、犯罪者にもしたくない。

その想い故の結末。

もし、それとは別の未来を想い描く事が出来ていたら、

また別の道が開けていたのだろう。

障害者とその家族が感じているだろう社会との壁。

彼らに対して、悩みを打ち明けてと求める前に、

社会の側が打ち明けられる土壌を整える事が先なのだろう。

もし彼のとった行為に対する責任があるとすれば、

それは決して彼だけのものではない。