渾身

隠岐の島 古典相撲

そこには、絆や思いやりでは言い表せない日本の心がある。」


相撲の事を単に「格闘技」と呼ぶ事に違和感を覚えるのは、

土俵に上がる力士の背中が背負うものが、あまりに大きいからだろう。

「伝統」とは「勝敗」よりも重く、

それに託す人々の思いもまた重い。

土地に根差した「伝統」の真の重みとは、

他所者には計り知れないくらい、その土地に生きる人々にとっては、強いものがあるのだろう。

それは、離れてしまった心の絆を再び結び付けるほどに。

一瞬、涙が出そうになるくらい美しい隠岐の島の風景と合間って、

「相撲」という姿を透して現れた「日本の心」を見た気がした。