The Lady アウンサンスーチー

「僕らには“ビルマ”という夢があった。

それは何よりも強い家族の絆だ。」



「家族か、祖国か。」

そんな選択を迫られる女性が、世界にどれだけいるだろうか。

彼女のあのか細い身体に背負わされた運命は、あまりに過酷なものだった。

それを支えた夫。

妻の身を守る為に、妻にノーベル平和賞を贈る。

遠回りな様で、こんなに深い愛の形もないだろう。

家族を引き裂いた国を「夢」と捉らえ、

それを家族の「絆」と受け止める。

そこに力の源があったのだろう。



大勢の人に、

見るべき光景を見せ、

知るべき事実を知らせる。

それが出来るのも、映画の持つ大きな力だ。

ミャンマー民主化に向けて動き出している今だからこそ、

是非とも見ておきたい作品だ。

これは泣かされた。



ラストに劇中の言葉を一つ。

「あなたが政治の事を考えなくても、

政治はあなたの事を考える。」