戦火の馬

「戦争は皆から大切なものを奪うものなんだ」

一人ひとりはそれを理解していても、戦争は起きてしまうものかも知れない。

市井の人々に罪はないとしたら、物言わぬ馬には更に罪はない。

運命に翻弄されていく中で、ありえない様に繋がっていく奇跡の連鎖。

戦場の中心で、敵対する兵士同士が一頭の馬を助け出すシーンは、

夢を見ているかのような感覚を覚えた。

美し過ぎるその展開に、本来なら眉をひそめたいところだったが、

ラストには不思議と腑に落ちてしまった。

こういうファンタジーも悪くない。