あしたのジョー

演じるために肉体があるわけではない。

肉体のために演じるわけでもない。

強いて言うなら、肉体それ自体が役者なのだ。

極限にまで鍛え上げられた身体というのは、

もはやそれを使って何かするまでもなく、多くのものを語りかけてくる。


この「あしたのジョー」という作品を実写化することにおいては、

どんなに上手い芝居をしたとしても、

肉体を鍛え上げるという行為を抜きに、魂が吹き込まれることはなかっただろう。

それだけのものは伝わった。

「映画だから見れる、映画でしか見られないボクシング」

それを堪能できた。


中でも特出すべきは、力石を演じた伊勢谷。

山下はおろか、香川までをもしのぐ鬼気迫る迫力は圧巻。

決して、悪くなかった。



「あしたのために」

いい言葉ですね。