SPACE BATTLESHIP ヤマト

「これが邦画!?」

開始5秒、目の前に映し出される光景に、全身から鳥肌が立つ。

まさにジュブナイルリターナーを彷彿させる山崎貴監督の本領発揮。

邦画でこんなことが可能なのか。

圧倒的なVFXだけでも十分元がとれるものの、あくまでそれは手段なのだ。

要はその先にある。

アニメ版のヤマトを詳しく知らない世代にとっては、

その物語の持つ先進性と完成度の高さに驚かされる。

希望があるからヤマトが行くのではない。

ヤマトが行くこと自体が希望になるのだ。

そして、信じる力と大切な人を強く思う気持ちが、

無いはずの希望を現実のものにする。


まさに完成された普遍的な物語と、想像を越える映像技術を親に持ち、

生み落とされた子供がこの映画だ。


しかし、ある種罪作りな面もある。

これを見たあとでは、他の映画が色褪せて見える可能性がある。

その点において、日本版のアバターかもしれない。




「古代よ、生きて帰るという仕事もある」

by 沖田艦長