夢をかなえるゾウ

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「期待してるかぎり、現実を変える力は持てへんのやで」

――― 『夢をかなえるゾウ』 P249



170万部突破! テレビドラマ化決定! 映画化決定! 舞台化決定!

派手な言葉が、帯を賑わしている。


正直、ベストセラーを読むときは気が引ける。

これだけ売れているって事は、わざわざ自分が読まなくてもいいんじゃないか?

読んでみたところで、結局170万分の1になるに過ぎない。


ただ、どうしてこれだけ読まれているのかが気になって、

170万分の1の人間になるのを承知でページを辿った。


而して読んでみた感想は、

これは売れるわ…


もう、まんまと手玉にとられた。


上手な本、巧みな作家とは何か、と考えてみると、

面白い話を作り上げるのはもちろんのこと、

読む側が、どんな心持でページを捲っているのかまで想像できている本

なんじゃないだろうか?


世に数多くあるだろう「自己啓発本」のように

前半は、どんどん気分も高揚しながら読んでいける。

「こんな小さなことでいいのか!」

「なるほど、ごもっとも!」

「これなら出来る!」

まさに主人公と同じように気持ちが動いていく。


そして、ある所に来た時に、「ペーン!」と平手打ちをかまされる。

もうそこで見ていたんじゃないかぐらいに、心の中を見透かされ、

クリーンヒットのカウンターパンチを受ける。

まさに、その通り。

きっと、この本を読んだ誰もがそう思ったことだろう。

だから、これだけ売れているんだろう。

これが、ここまで売れている理由だったのか。

悔しいかな、これは売れる…




























ちょうど、そのカウンターパンチを喰らった所で、

朝の通勤列車は駅に着いた。

その後、いつもならそのまま直行して仕事場に行くところを、

途中で、コンビニに立ち寄った。

おもむろに「カントリーマァム(パンプキン味)」を購入し、

みんなが食べる用のお菓子として、コーヒーメーカーの横に置いた。

こんな事、これまでの自分からしたら、絶対しないことだ。

ただ、それで何が変わったわけでもない。


そして帰り道。

立ち寄ったコンビニで、お釣りを募金した。

ただ、それで何が変わったわけでもない。


でも、何となくそうしたくなった。





ガネーシャは、言う。


「人間が変われるのは、『立って、何かをした時だけ』や」