カイ・カーウース

だがやむをえず旅に出て、家を遠く離れ、道中に至高なる神のお恵みがあれば、

異境を旅することは家にいるよりもよいであろう。

決して家を恋しがらず、好きな所に落ちつけ。

そなたが幸福になれる地こそ故国と識れ。

「故国は第二の母」と言われているが、それにこだわるな。

自分の運命の輝きを保持せよ。

―――カイ・カーウース『カーブースの書』

旅に出る。

それは決まったが、およそ綿密な計画がない。

元来、計画を立てるのが苦手なもんで。

おそらく、そこに着いたはいいが、その後に途方に暮れるだろう。

でも、ちょっと途方に暮れてみたい。

そこで、自分はどするのか?