「鼓動が止まる」

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今日、ある人から、こんな話を聞いた。

「へその緒を切るタイミングって知ってる?」


そんな問い掛けから、

自宅での出産に立ち会った時の話をしてくれた。

その人は、その時に初めて「へその緒を切る」という経験をしたという。

そしてこの時初めて、へその緒が脈を打っている事を知った。

そして触れていると、徐々にその脈が弱くなっていく。

そして、その鼓動が止まった時が、へその緒を切るタイミングなんだ。

そう、教えてくれた。


この話を聞いた時、涙が出るくらいものすごく感動した。

へその緒の鼓動が止まる事が、その子がこの世に生を受けた証となる。

「鼓動が止まる」


この言葉を聞いて、真っ先に思い浮かぶのは、ずっと「死」という事だった。

それ以外に考えられなかった。

ところが、全く同じ現象が「生」の瞬間にも起きているというのだ。

正直「生命誕生の瞬間」に部分的であれ「鼓動が止まる」なんて現象があろうはずはないと思っていた。

「生」と「死」という両極に位置するものの間に、共通の現象が存在している。


その事がたまらなく胸に響いた。


この事を話してくれた人は、本当に話し方が上手かった。

多分、これを読んでも自分が受けた感動の半分も伝わらないんじゃないかと思う。

それが、もどかしくてならない。