休日の呼び出し

休日に呼び出された。

それは、本当に取るに足らないことだった。

何とか、電話で説明できないかと試みた。

しかし、どうしたって俺が出て行かないとどうにもならなかった。

結局、その事をわかっているのは俺だけだったし、やれるのも俺だけだった。

何度も、心の中で叫んだ。

「ふざけんな!」って。

「そんな事なら、どうして先に言わねぇんだ!」って。

用は、無事に済んだ。

本当に小さな事だったけれど、出て行かなければどうにもならなかった。

たった、これだけのために…



あるドラマを見た。

「ただ、そこに居るだけでいい。そこに居るだけで、給料がもらえる。」

その事に悩んでいる人が、そこにはいた。

それを見て、ふと思った。

休日に呼び出されたのも、俺の事が必要だったからだ、と。

小さいけれど、俺にしか出来ない事がそこにあったからだ、と。

そう考えてみると、今日の事が何だかとても幸せな事にも思えてきた。

でも、また呼び出されたら、

「ふざけんな!」って叫ぶだろう。

気持ちは、常に、変化する。

決め付けは出来ない。

でも、ひとつの事も、捉え方次第で、

プラスにもマイナスにもなるような気がする。

そんな事を、今、思っている。