オリエント急行殺人事件

「私には世の中のあるべき姿がわかる。

あるべき姿ではない時、その不完全さが気になって仕方が無い。」

「世の中には善と悪の二つしかない。その中間は存在しない。」

「コネも君の才能だ。」

「人との出会いも列車の旅の良さだ。」

「好きな事には溺れるが、嫌いな事には耐えられん。」

「必要なのは、証拠と秩序と筋道だ。」

「この二人は騙せない。神とエルキュール・ポアロだ。」

「法律は時に不完全だ。」

「ここにいるのは殺人犯ではない。傷を癒すべき人々だ。」


世の中には善と悪しか存在しなくとも、

何が善で何が悪かを判断するのは難しい。

一つの罪によって、多くの人生が狂わされ、

その悲しみや憎しみを法律が救えないとしたら、

自ら救いを求める行為を簡単に悪だと切り捨てられない。

単なる謎解きだけではなく、人間の本質までも描き出す。

原作が長きに渡って愛されるのも頷ける。

クセは強いが、決める時は決める。

ポアロのキャラクターも魅力的だった。