紙の月

「受けるより、与える方が幸いである。」 by イエス

「我慢するのバカバカしいでしょ。やりたい事をやった方がいい。」

「渡るの?渡らないの?」

「行くべき所に行く。それしかないでしょ。」


やりたい事をやり尽くして破滅する人間と、

破滅するほどやりたい事が見つからない人間。

一体、どちらが惨めで、どちらが幸せなのか。

対称的な二人が、ラストに相対するシーンが強く印象に残った。

宮沢りえの物語であると同時に、小林聡美の物語でもある様に思えた。

一線を越えるまでの鬱屈さ、開き直った後の晴れやかさ、

そして追い詰められた時の大胆さ。

「金が人を変える」というのは良く聞く言葉だが、

本当に様々な表情が見られた。

また、随所に挟まれた「無音」が良いアクセントになっていた。