凶悪

「いつまで生きてんだ!」


借金にまみれた男。

借金苦から男の死を望む家族。

人の命を油田に例える男。

他人の命は容赦なく奪い、自分だけは生きながらえようとする男。

家族を犠牲にして真実を追う記者。

その男のために人生を犠牲にする妻。


他人の命を奪って手に入れた金を笑って使える人間は、本当に幸せなのか。

真実が明かされ、悪人が死ねば、それで全てが報われるのか。

人は一体何のために生まれてくるのか。

どう生き、どう死ぬ事が正解なのか。


決して後味の良い最後ではなかった。

むしろ綺麗にまとめないでくれて良かった。

見終わった後、自分の中で、無数の問いが次々と湧いて来る作品だった。