華麗なるギャツビー

「人生を主導権を握れ。人生の観客でいるか。自らプレーするか。」

「5年の歳月が、彼女の口唇の上で震えた。」

「恋に落ちれば、運命が変わってしまう。」


過去はやり直せない。

そう思っている人間は、たとえそれが後悔するものであっても、

いつかはそれを受け入れ、認める事が出来る。

一方で、過去はやり直せると信じている人間は、

いつまでも過去を否定し、受け入れる事が出来ない。

その意味で、ギャツビーはあまりにも純粋過ぎたのだろう。

どんなに過去に愛し合った中だったとしても、

時間の流れというものは、否応なく人を変えてしまう。

デイジーの涙の葛藤がそれを物語っていた。

たとえ望まぬ相手と結ばれたとしても、

その後に生まれた歳月を全てリセットして、過去に戻ってやり直す事は出来ないのだ。

時間とはある意味で無慈悲なものだ。

だからこそ、どこかで折り合いをつける必要があるのだろう。


単なるアメリカ上流階級の色恋沙汰だと思っていたら、大間違いだった。

華やかな世界の裏側にある孤独。

グワングワンと揺れ動く展開に、いつしか釘付けになっていた。

改めて、原作を読んでみたくなるのも良くわかる。

素直に面白かった。