ノルウェイの森

一昨年から去年にかけて、村上春樹の本を結構な冊数読んだ。

古いもの新しいもの、短編長編、小説からエッセイまで。

間を置かずに立て続けに読んだというよりは、間に他の本を入れながら。

しばらくすると無性に読みたくなるのだ。

内容がというより、彼の文章自体に触れたくなる。

それは、ずっと水の中を泳いでいて、息苦しくなって、

息つぎをする感覚に似ているのかもしれない。

当然、「ノルウェイの森」も読んでいた。



愛する人を失った悲しみから逃れることはできない。

できることは、悲しみを悲しみ抜いてそこから何かを学ぶことしかない。

しかし、そこで学んだことは、

次にやってくる悲しみには、何の役にも立たない。」


だとしたら、そこに意味はないのか?

人間関係というのは、ただでさえややこしい代物だ。

そこに、好きだ嫌いだ、愛だ恋だという要素が加われば、

事態はさらに複雑に絡まり合い、終いには収拾がつかなくなる。

それでも人が人を好きになる理由。

それは…






一体、何なんだろうか?