踊る大捜査線 The Movie3

世の中に、望むべき物と望むべからざる物があるとすれば、

「踊る3」は、望むべからざる物を望んでしまったが故の産物なのかも知れない。


今回、3を見るに当たり、これまでのシリーズを見返した。

驚くべきは、やはりテレビシリーズ。

初見から数年を経ているにも関わらず、

見るものを熱くさせるその完成度の高さ。

第一話から最終話まで、一切の無駄がない。

そして、数回のスペシャルを経て、映画化へ。

一つ一つ階段を登り、晴れてクライマックスを迎える。

ドラマで加速した勢いは、ここまで見事に完結した。


そう考えると、それ以降は、やはり蛇足の誹りを免れない。

もはや、描き尽くした警察内部の確執を引っ張るには限界があり、

無理矢理持ってきたテーマによって、踊るらしさが色褪せてしまう。

今作の、迷走ぶりは痛々しかった。

もしこれが、文字通り、青島が命を賭して、

制作陣に、これで完結させるという本気の覚悟があれば、

蛇足にはならなかったのかも知れない。


「もし当たれば続編を」と、いたずらに含みを残すのも罪なら、

中途半端に続編を描いて、見る者の想像の余地を奪ってしまうのも罪だろう。



それにしても、最初のカットの、青島の老け具合。

さすがの踊るも、時間の流れには抗えないと思うと、

それもまた、悲しくもありますね。