ROOKIES 卒業

「ROOKIES」にこんなにも多くの人達が魅了されるのは何故だろうか?

思うにそれは、光の当てられる方向にある。

どんなに強い光を放つものがあったとしても

もしその光が斜めから注がれれば、どうしてもそこに影が生まれる。

ただその光が真正面から放たれば、影は掻き消される。

影のない光は、強力なエネルギーを帯びる。

だからこそ真正面から当てられる光に人々は魅了される。

小細工なしに真正面から光をぶつけているものが、今の時代どれだけあるだろうか?

夢、努力、仲間…

口に出せば、歯の浮くようなくさい台詞を

何物にも邪魔される事なく、見る者の心の核に突き刺す事がいかに難しいか?

難しく、希少だからこそ、この作品が求められているのかも知れない。



登場人物に誰ひとりとして捨てキャラがいない。

ゆえに一見飽和した感のあった世界に、

一人加わるだけで、無限にドラマが広がっていく。


はっきり言って、原作が素晴らしい。

普通、素晴らしければ素晴らしいほど、少しでも違いが見えれば覚めるもの。

ただその原作の影を感じさせないのは、ドラマ、映画が独り立ちした証拠だ。

ラストの演出も独り立ちしたからこそ出来たものだろう。

一過性の話題作というカテゴリーに入れるには、力があり過ぎる。


それにしても、試合のシーンをどう描くかは、相当悩んだろうな…