おもひでぽろぽろ

イメージ 1

青虫はさなぎにならないとチョウチョにはなれない。

さなぎになんてなりたいとはちっとも思ってないのに。



子供の頃、数あるジブリ作品の中で、一番「ハズレ」だと思っていた作品。

野球なんかで例えてみれば「穴」だと思っていた作品。

それが、この「おもひでぽろぽろ」だった。

これまでのような、冒険活劇でも、夢のようなファンタジーでもない。

どうして「普通の日常」なんだろうと思っていた。


それが最近、

仕事を通じて男鹿和雄さんというジブリ美術監督の事を知り、

その監督した作品を調べている内に、改めて出会ったのがこの作品だった。

そして、主人公の年齢が「27才」ということを知り、

どうしても見返して見たくなった。

「ハズレ」だと思っていた分、ストーリーもほとんど覚えていなかったし。


見てみて思ったのは、

「今だから分かる。今だから見れる。」


と言うことだった。

子供の頃にこれを見て、つまらないと感じたのは極当然のことだと思うし、

もしおもしろいと感じていたら、今、新鮮な感覚で見返すことは出来なかったように思う。


ストーリーはもとより、その画の美しいこと。

誰もが心の中に持っている「田舎」が具現化して目の前にあるような印象だった。

田舎より田舎らしい田舎


三人の背中越しに広がる夕焼けのシーンは、本当にきれいだった。



ちなみに、

もののけ姫の設定がどうして北から南、西を目指すものになったか知ってますか?

それは、この男鹿さんが東北の出身だったからなんですって。

設定まで左右するほど、映画における美術監督の存在って重要なんですね。

改めて、男鹿さんに対する興味を強くしました。