4月4日 ついにチョ・オユー現れる


昨日はニエラムの町とお別れし、チョ・オユーのふもとの町ティンリに移動した。

ニエラムは小さな町だが風呂屋のお姉ちゃんがかわいくて居心地のいい町だった。

移動中、町から外れると広大なチベット高原が現れる。

砂漠のような広大な大地に深く青い空が見える。

一段と空が近くなったような気がする。

標高5050mのタン・ラに着くと8000mの山々が目の前に広がった。

空気が本当に薄く、風は顔に刺さるように冷たい。

僕の股間も冷え、体のエネルギーが股間に集中する。これがチベットの空気なのだ。 

さらに車を走らせると、見たことのある山が突然目に入った。

写真で見たことのあるというレベルではない。心に焼き付いている山だ。

山の形と雪のつき具合から見ると間違いなく世界最高峰のチョモランマだ。

そしてその隣には、今回登るチョ・オユーが見えた。

ここにいるのが本当に不思議に感じる。 

大学一年生から登山をはじめ、やる気は無かったが突然海外の山に興味を抱き、

思いだけで各大陸の山々に登ってきた。

そしてようやく憧れの山を見つけた。

今、僕の目の前にチョモランマとチョ・オユーがいる。

―――栗城史多

是非、一度見てみて下さい。